TACHIKAWA STAGE GARDENにて開催された「ミュージックレイン声優成人式」第1部。寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生の4名が声優デビュー20周年を迎えたことを祝うこの記念碑的な公演は、彼女たちが歩んできた濃密な歴史と個々の確かな表現力、そして4人の絶対的な絆を再確認する至高の時間となった。

ミュージックレイン声優1期生である彼女たちは「スフィア」としての顔も持つが、今回のコンセプトは各々のソロ活動において演じてきた「アニメキャラクターソング縛り」という極めて攻めた構成。普段のライブでは滅多に耳にすることのできない超レアなセットリストが並び、開会式の瞬間から客席は異様な興奮に包まれていた。

高垣彩陽がMCでユーモアたっぷりに語った通り、客観的に見れば「本当にわけのわからないイベント」と言っても過言ではない尖り方である。しかし、そんな予測不能な企画にどこまでも全力でついていくのがスフィアファンであり、長年シーンを追い続けてきた古の世代にとっては、このマニアックな選曲こそがたまらなく心地よく、愛おしい。

客席を見渡せば、20年という年月の重みと温かさが如実に表れていた。かつての若者たちも年齢を重ね、結婚して子どもを連れて参加している者、親子二代で楽しむ姿、そして今なお気ままに推し活を謳歌する独身貴族まで、客席はまさに老若男女が入り乱れる空間となっていた。それぞれが異なる人生を歩みながらも、この節目に同じ場所に集い、同じ歌に熱狂している光景そのものが実に味わい深く、面白い。

ライブレポート

キャリアの厚みを見せつけるソロパート:寿美菜子・高垣彩陽・豊崎愛生

各人のステージも、そのキャリアの厚みを存分に見せつけるものであった。寿美菜子は『Dear My Keys〜鍵盤の魔法〜』『カリステギア』『感情グラス』を披露し、洗練されたボーカルと豊かな表現力で惹き込む。

続く高垣彩陽のパートでは、『inner world』に続いて驚きの1曲が飛び出した。『のりものまん モービルランドのカークン』の主題歌『かっとびモービルランド』である。CD音源化すらされておらず、YouTube上でもショートバージョンしか公開されていない幻の楽曲。それをまさかの4番まで存在する「フルバージョン」で豪快に歌い上げるという、ファンにとって鳥肌モノの超貴重なステージとなった。そこから『Bye-Bye Lullaby』へと繋ぎ、持ち前の圧倒的な声量とオペラティックな歌唱で会場をねじ伏せた。

豊崎愛生は『モ・モ・い・ろ・み・ご・ろ』や『ラララ♪ミュークルマーチ』で温かな包容力を届けた後、カバー曲『創聖のアクエリオン Myth of Emotions Ver.』で神秘的なスケール感を響かせる。

ゼロツー降臨の衝撃と4人の絆:戸松遥、そしてスフィアへ

そしてソロパートのトリを担った戸松遥のステージでは、この日最大の鳥肌が立つ瞬間が訪れた。カバー曲『ANNIVERSARY』や『Holy Lonely Justice』に続いて投下されたのは、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』のエンディングテーマ『トリカゴ』。

作品内でヒロインたちによって歌われた名曲だが、今回はゼロツーのソロバージョンとしての歌唱。ゼロツーという強烈で切ないキャラクターの魂が宿ったあの歌声を、生で、ダイレクトに耳にした瞬間の衝撃と感動は計り知れず、胸が熱く締め付けられる至極の体験となった。

そして迎えたラスト、満を持して4人が揃い、スフィアとして放たれたのはデビュー曲『Future Stream』であった。20年の歩み、演じてきたキャラクターたちの想い、そして幾多のライフステージを越えて集まったファンたちの歴史が重なり合い、胸に迫る熱い感動が押し寄せた。「成人式」という節目を迎え、これからも彼女たちと共に歩み続けていくことを確信させられる、至福の記念公演となった。

なお、事前には「1部と2部でセットリストが被らない」という驚くべき予告もなされている。この尖りに尖った第1部を終え、続く第2部では一体どんな曲が飛び出すのか、期待に胸を膨らませずにはいられない。


セットリスト

開会式

【寿美菜子】

  1. Dear My Keys〜鍵盤の魔法〜
  2. カリステギア
  3. 感情グラス

【高垣彩陽】

  1. inner world
  2. かっとびモービルランド(幻のフルバージョン・4番まで歌唱)
  3. Bye-Bye Lullaby

【豊崎愛生】

  1. モ・モ・い・ろ・み・ご・ろ
  2. ラララ♪ミュークルマーチ
  3. 創聖のアクエリオン Myth of Emotions Ver. [カバー]

【戸松遥】

  1. ANNIVERSARY [カバー]
  2. Holy Lonely Justice
  3. トリカゴ(ゼロツー ソロVer. / 『ダーリン・イン・ザ・フランキス』ED)

MC

【スフィア】

  1. Future Stream