新宿ReNY。ネットシーンから頭角を現し、今やアニソンシーンでも圧倒的な存在感を放つシユイのワンマンライブ「思惟的錯覚」が開催された。第1部「各位」、第2部「拝眉」という異なるサブタイトルを冠した二つのステージは、彼女の多彩な表現力と、ファンへの仕掛けに満ちた至高の時間であった。

第1部:思惟的錯覚 ー各位ー
昼の部となる第1部は、TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』のオープニングテーマ『オーバーラップ』という強烈な一撃から幕を開けた。
一気に会場の熱量を引き上げたかと思えば、中盤には個人的にも着信音にするほどお気に入りの『ひとちがい』を披露。彼女の持つ繊細なニュアンスの歌声が耳に心地よく響く。
前半のハイライトとなったのは、やはりリアレンジされた『ホロウ』であった。TVアニメ『魔王2099』のオープニングテーマとして、原曲とはまた異なる新たな息吹が吹き込まれたそのサウンドとパフォーマンスには、ただただ圧倒されるばかりであった。
一転して『はちみつ』や『楓』では弾き語りを披露。客席とアットホームなコミュニケーションを交わしながら歌う姿からは、彼女の等身大の魅力が伝わり、実に対照的で面白い空間を作り出していた。
本編が『君よ 気高くあれ』などで熱く締めくくられた後、アンコールで最大の驚きが待っていた。配信で新曲をやると宣言していたため身構えていたが、そこでドロップされたのは未発表の新曲『ホラゲ』。「ここでコールを入れてくれ!」というシユイ本人からの無茶ぶりが飛んだが、初めて聴く楽曲でありながらも、会場全体がなんとか必死にコールを合わせて一体となっていくプロセスは、ライブならではの堪らない快感であった。

第2部:思惟的錯覚 ー拝眉ー
じっくりと腰を落ち着かせるMCタイムや着座の時間があった第1部に対し、夜の第2部は文字通りの「ノンストップの疾走」であった。
開幕の『ハピネス オブ ザ デッド』からアクセル全開で駆け抜け、最後まで観客を煽り続けるような怒涛のステージングが展開された。新曲の披露は1部と2部でそれぞれ分散されるかと思いきや、なんと2部の本編中にサプライズで『リンカルネーション』が初披露され、7月6日からの配信リリースも大々的に発表された。さらにアンコールも含めると2部だけでまさかの2曲の新曲を聴くことができ、トータルで3曲もの新曲に出会えるという、嬉しい大誤算に狂喜乱舞した。
本編のラストを飾ったのは、TVアニメ『杖と魔法のウィストリア』のエンディングテーマ『リーチライト』だ。アニメの世界観や物語の軌跡を知っていれば知っているほど、これ以上ないというくらい完璧で、胸に刺さる素晴らしい閉まり方であった。
そしてアンコールの拍手に導かれ、新曲『タイムスロット』が披露された後、本当のラストを飾ったのは『あんたがたどこさ』であった。普段から彼女の配信を見ているファンにしかわからない、BGMを模した憎い仕掛け。ニヤリとさせられる演出で締めくくられたその瞬間、私たちはシユイというアーティストの術中に完全に嵌められていたのだと気付かされる。
配信視聴者への目配せから、アニメタイアップの圧倒的なカタルシスまで、最初から最後まですべての仕掛けを全力で楽しむことができた。シユイの描く「錯覚」の渦は、これからさらに大きくなっていく。そう確信させる最高のワンマンライブであった。

セットリスト
第1部:思惟的錯覚 ー各位ー
 1. オーバーラップ
 2. 君君舞
 3. ラブコール
 4. ドーベルマン
 5. ひとちがい
 6. ONI
 7. ホロウ
 8. はちみつ(弾き語り)
 9. 楓(弾き語り)
 10. リーチライト
 11. ハピネス オブ ザ デッド
 12. カトレア
 13. インフェリア
 14. BOOOM!!
 15. 君よ 気高くあれ
   [ENCORE]
 16. ハイスクール・オブ・ザ・クレイジー
 17. ホラゲ(未発表 新曲)
 18. べらべら

第2部:思惟的錯覚 ー拝眉ー
 1. ハピネス オブ ザ デッド
 2. 君君舞
 3. ラブコール
 4. バームクーヘン
 5. ひとちがい
 6. ONI
 7. ホロウ
 8. べらべら
 9. GLOW
 10. リンカルネーション(7/6より配信リリース)
 11. 君よ 気高くあれ
 12. カトレア
 13. インフェリア
 14. BOOOM!!
 15. リーチライト
   [ENCORE]
 16. ハイスクール・オブ・ザ・クレイジー
 17. タイムスロット(未発表 新曲)
 18. あんたがたどこさ