ゴールデンウィークの恒例行事として、今年も秋葉原へと足を運んだ。目的は「絵師100人展 16」の鑑賞だ。もはや自分の中では、この時期にここへ来ることがひとつの季節の節目となっている。
今の時代、生成AIを使えば誰でも手軽に、それなりのクオリティのイラストを出力することができる。しかし、会場で向き合う絵師たちの作品には、それとは一線を画す圧倒的な熱量があった。
細部まで緻密に練り上げられた書き込みの情報量。視線を誘導する巧みな構図。そして、繊細な色使い。そこには、描き手の試行錯誤や癖、いわば「人の手ならではのタッチ」が確実に宿っている。その凄みには、ただただ感服するばかりだ。

会場は例年通り多くの来場者で賑わっていた。
中には人だかりができ、作品の描き込みを凝視しながら、テクニックや手法について熱心に語り合う声も聞こえてくる。もちろんそれも一つの楽しみ方だが、自分にとっては少し「本筋」とは違うようにも感じる。
私は、作品を「芸術」として捉えたい。
難しい理屈や技術論を抜きにして、目の前の絵が自分の感性に響くかどうか。好きか、そうでないか。その瞬間の直感を大切にしている。
そのため、会場での滞在時間は比較的短い。一枚一枚を分析するように眺めるのではなく、今の自分の感性が何を受け取るのかを確認するように歩を進める。

会場での「ライブ感」を味わった後は、自宅で図録を開くのがもう一つの楽しみだ。
人混みの喧騒から離れ、静かな環境で改めてじっくりと作品を堪能する。会場で感じた直感的な「好き」という感情を反芻しながら、改めて一枚の絵に向き合う時間は、何にも代えがたい至福のひとときである。