ついに公開された第2部『キルケーの魔女』を鑑賞した。
第1部は小説との差別化が少なかったが、今回は映像化にあたってかなり手が入っている。大筋は変わらないものの、映画としての見せ場が随所に配置されており、終始スクリーンに圧倒された。
1/30に公開され早々に鑑賞していたが記事にするタイミングが遅れてしまった。
4DXでの体験も含め、ここに残しておきたいと思う。
まず、映像の美しさは群を抜いている。

オウンベリの描写について
   テロリストが潜伏する村の虐殺がどう描かれるか気になっていたが、小説版のような過激な残酷描写ではない。しかし、今の映像表現における限界を攻めていると感じた。凄惨さよりも「その場に居合わせている」という臨場感に重きを置いており、十分に刺さるものがある。

HDMモニターに映し出される情報の多さには驚かされた。4DXでは実際にモビルスーツに乗っているような没入感を得られたが、モニターの細部までは追いきれない。ブルーレイが発売されたら、一時停止を駆使してじっくり確認したいところだ。

アリゥゼウス戦と『逆襲のシャア』の残影
新機体アリゥゼウスとの戦闘シーンは文句なしの迫力であった。
特筆すべきは、戦闘中に『逆襲のシャア』のカットを混ぜてきた演出だ。アムロとハサウェイの構図を重ね、ハサウェイにシャアのセリフを放たせる。ファンとしては熱い展開だが、同時にハサウェイがいまだクェスの呪縛の中にいることを突きつけられたようで、非常に複雑な心境になった。

人間ドラマの深堀りと「親」としての視点

ドラマパートでは、ケネスのオフィスでのギギとメイスの女同士の喧嘩が面白い。殺伐とした物語の中、生身の人間臭さが垣間見える名シーンであった。
一方で、ハサウェイとケネスが決別していく描写については、もう少し深掘りが欲しかったと感じる。回想シーンだけでは、二人の間の断絶を描くにはやや物足りなさが残った。
また、ハサウェイの置かれた立場を思うと、とにかく「辛い」の一言に尽きる。父ブライトや母ミライが、愛する息子がテロリストに加担している事実を知らない。親の立場で考えると、その断絶があまりにも残酷で胸が締め付けられる。

物語を彩る音楽の力
伴奏の澤野弘之氏は、『ガンダムUC』から一貫して素晴らしい仕事をしていると思う。

印象的な楽曲演出
   雨の中、ハサウェイがケネスを追いかけるシーンで流れる「ENDROLL([Alexandros]×SennaRin)」は、シーンの情緒を完璧に引き立てていた。

ED曲の切なさ
   エンディングに流れるGuns N' Rosesの「Sweet Child O' Mine」は、どこか切なく、物語の余韻をより深いものにしていた。

最終決戦へと向かう戦場
物語は、ケネスが罠を張り、最終決戦の場でハサウェイを待ち構えるシーンで終わる。
もしこのまま小説の結末通りになるのだとしたら、あまりに悲しい。次作で彼がどのような運命を辿るのか、期待と大きな不安を抱きながら待ちたいと思う。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』公式サイト https://share.google/NyUUlkZjZ6n4Ydnaw