限界まで作業を続けたものの、やはりMGシナンジュの凄まじい情報量を前にして納期には一歩届かなかった。しかし、「未完成だからこそ、見せられる面白さがある」と気持ちを切り替え、今回はあえてクリア装甲の加工途中の状態で、先行して本体を展示会場へと持ち込むことにした。
残されていた武装周りの最終仕上げと、エングレービングのコーティング作業を再開した。
本体のプレミアムメタリックレッドと極上のコントラストを描く主武装のライフルとバズーカ。ピアノブラックの上から重ねたメタリックブラックの鈍い輝きに加え、今回は仕上げとしてクリアーを吹き付け、塗膜の保護と最終的なコーティングを完璧に完了させた。ライフルのセンサー類に仕込んだ蛍光グリーンも、落ち着いた銃身のメタリック感の中でギラリと鋭い存在感を主張している。
今回のこだわりポイントでもある「エングレービング」だ。
通常のゴールド塗装ではなく、今回のために調色した「蛍光イエロー」を使用して紋章と縁取りを仕上げ、乾燥後にしっかりとクリアーでコーティングを施した。一見すると、スモーククリアのシールドに映える美しいイエローゴールドの紋章だが、これにブラックライトを照射すると真価を発揮する。
UVライトを照射した瞬間、スモークのシールドを突き抜けるように、エングレービングの紋章と外周のラインが鮮烈なグリーンへと怪しく発光を始める。
これまでに仕込んできたフレームの蛍光レッド、センサーの蛍光グリーン、そしてこのシールドの蛍光イエローが合わさることで、ブラックライトを浴びた瞬間に全身がサイコフレームのように光り輝く「袖付き総帥機」の最終形が、ついにここに具現化した。